ツーリングメモ-2

2002年5月4日〜8日のモーターキャラバンの記録。
P泊適地の情報や立ち寄り湯。
景色のいいところやおいしいところなどもどろなわ式に紹介。

 
東北じゃじゃめんツアー 5/04/2002
 
蓮田〜.宮城県古川市 5/04/2002 

前々から準備をしていたが、連休に入って僕も家内も発熱、僕はすぐにひいたものの家内の熱が続き、中止しようかと諦めかけていた。ところが当日になって急に熱が下がり、昼過ぎには全快。無理しなければ大丈夫との判断で、午後3時頃、前日から我が家に来ていた藪内と猫族、合計人間3人+犬1頭+猫2匹を乗せてコーチメンを北へ走らせる。福島県白河市までひたすらR4を走る。R4の新バイパスは宇都宮までとても素晴らしい道路だ。主要道路との交差点は全て立体交差、小さな交差点は全て感応式といった具合で、10km走っても信号ひとつない様なところがたくさんある。 日が暮れたため、福島県矢吹ICから東北道に乗る。鏡石PAに寄る。収まりの良い場所も見つけ、今夜はここでP泊しようかと思ったが、雨も激しく、 日程その他を考えて、今夜中に行けるところまで行ってしまおうという結論に。そのままひた走り、夜半過ぎに長者原S.A.に到着。雨もこの辺は断続的だった。ここからなら、どんなに朝寝坊しても午前中に盛岡に着く。


 

【東北自動車道 長者原S.A.】 宮城県古川市
古川S.A.の北。ちょうど仙台を抜けて直線が続く頃に見えてくるのでいい休憩ポイントになる。トラックなどの出入りも結構あって静かではないが、場所さえ選べばP泊場所としては申し分ない。


 

古川市〜岩手県盛岡市 5/05/2002

翌日は快晴。隣同士に停まっていたウェストファリアのご家族が黒ラブ(名前:ハナ)を連れていたので声をかけ、しばらく犬談義。ハナはまだ3ヶ月。大型犬は初めてとのことで、ネリ(我が家の犬)を見て、「こんなに大きくなっちゃうんだ!」とびっくりしていた。ネリはラブの中ではかなり小さい方なんだけど 、それでもやっぱり初めて見る人は「大きい」を連発。写真を撮ったりした後、挨拶をして別 れる。お名前を聞くのを忘れる。まあいいっか。岩手県水沢ICで東北道を降り、R4を北上、春の雰囲気満杯の街道沿いを眺めながら昼ちょっと前に盛岡市内に入る。

秋田ナンバーのウェストファリアでP泊していたハナちゃん(黒ラブ3ヶ月)のご家族。もしこのサイトを見てらっしゃいましたらこちらまでご一報下さると嬉しいです。写 真をお送り致します。5月5日朝、宮城県古川市の長者原で隣でP泊していたフォード製バンコンで来ていた佐藤です。犬の名前は「ネリ」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【金田一駐車場】岩手県盛岡市
盛岡市のど真ん中にある、金田一京助博士の生家の駐車場。24時間営業でマイクロバス駐車可(高さ制限3.1m)。文字通 りど真ん中だからとても便利。こどもの日ということもあってやや混雑、5台分ほど順番待ちした。ところでここはマイクロバス可と言いながら、専用レーンは見あたらない。おそらく駐車レーンを2つ使って停めるのだと思う。混雑のせいでそういう縦に2つ空いたレーンを見つけられず、しばらくうろうろ駐車場内を彷徨った。横幅は何とかなるが、通 路でつかえてしまうため6mクラスのクルマは端の方を探さないと入れられない。アストロなどのミニバンクラスなら大丈夫。クラスCはおそらく高さ制限で引っかかってしまうため不可。料金は普通 車が200円/h、マイクロバスは400円/h。車種の区別は出口の高さセンサで行う。占有した枠とは関係ない模様。


一番の目的はじゃじゃめん。できれば3軒ほどはしごする予定だったが、残念なことに白龍と香醤は休業日、白龍川徳店は営業していたが超長蛇の列。しかたがないので日光軒本店でチャーシュー麺。あれ?もしかして日光軒の川徳店が撤退して白龍が出店したということ?日光軒のラーメンは地元では知らない人はいない名店。濃いしょうゆ味のラーメンで、一見何の変哲もない東京系だが、どしんと来るいわゆる北国風支那そば系。チャーシューが絶品。 近頃は味が落ちた?とも言われているが、僕が食べた限りでは何一つ変わっていなかった。決して「ここのラーメンはお勧め」とは言わないけれど、一度食べて気に入ったらじゃじゃめん並みに通 う事間違いなし。 その後、藤原養蜂所のショップで蜂蜜アイスを買って、駐車場に戻り食べる。その後少し仮眠をとり、G.S.とこの日のお風呂を探しに出かける。一旦北に向かい、鍋屋敷のカラマツ並木を通 る。


【鍋屋敷のカラマツ並木】岩手県盛岡市
盛岡市内には、いわゆる街路樹が殆どないが、郊外に出ると様相は一変し、いたるところに壮大な並木道があらわれる。いわゆる日本の伝統的な街路樹や杉並木というよりは、むしろヨーロッパの田舎道に見られるようなカラマツや赤松の並木が多い。それでも近年は宅地化や都市化でそういった並木も姿を消しつつある。そんな中、盛岡市北部の
牧場沿いに続く鍋屋敷のカラマツ並木は、日本の街路樹100選に選ばれ、道路の拡張にも関わらず景観が保たれている。


日帰り温泉を探し、初めは赤湯温泉を目指していたが、なぜかピンと来るものがあって矢巾温泉へ向かう。 煙山ダムに差しかかったところでパストラルバーデンなる建物を発見。偶然とはいえ、今日一番の収穫はこの日帰り温泉だった。


【パストラル バーデン】岩手県矢巾町
矢巾温泉の一角にある町営の日帰り温泉。600円、午後10時まで。さほど広くはないが心地いい不思議な空間。広くないのに心理的に余裕がある。駐車場はとても広く、どんな大きなクルマでも大丈夫。ただしここまで来るのにルート選択によっては結構狭い道を通 る可能性もあるので注意。P泊は自由にどうぞとのこと。外トイレも一応あるが、くみ取り式できれいではないため、気にしない人向きか、トイレを持っているクルマ向き。

駐車場はこの写 真で見えている分の3倍はあって好きな場所に停められる


お風呂を堪能した後、夕食は焼き肉冷麺を食べに行こうという事になる。店はいくらでもあるが、敢えて明月館津志田店へ行く。

【明月館津志田店】岩手県盛岡市
盛岡といえば盛岡冷麺。盛岡の冷麺は平壌冷麺が元になっているというが、盛岡で冷麺がソフィストケイトされて人気が出始めたのはここ20年ほどの事で、逆に平壌冷麺が盛岡冷麺の影響を強く受けているとも言われている。現在盛岡で食べられる冷麺はほぼ盛岡のオリジナルと言っていい、不思議なミックスカルチャーな食べ物だ。一度盛岡冷麺を食べたら韓国冷麺は食べられないという人さえいる。冷麺の名店はいくつかあって、新旧取り混ぜて非常に競争が激しい。明月館は観光ガイド等には載っていない地元客中心の店だが、食道園やモランボンと並んで昔ながらの冷麺を食べさせる店だ。焼き肉の味の方は標準的だが、冷麺の方はなかなか頑張っている。そして何よりこの津志田店は特に駐車場が広いので、キャンピングカーな人にお勧め。 大型車でも全く問題なく入れる。


今夜のP泊場所は道の駅紫波に決定、途中、地元のスーパーに立ち寄って食材を仕入れながら30分ほどで到着。


【道の駅 紫波】岩手県紫波町 R396
この辺一帯は果物、特にりんごの大産地として有名。丘陵には一面 りんごの花が満開だった。そんな特色を生かした道の駅。パストラルバーデンもそうだが、岩手の新しめの公共施設は地元の建築デザイナーが頑張っているのか、面 白い建物が多い。 ここの出色はトイレ。自動ドアで完全暖房。喫煙所を経ないと身障者・母子用トイレに行けないのはちょっと詰め不足の観もあるが、それでも今まで入ったトイレの中ではピカ一に快適だった。ただし関東以南でこれをやったらアウト。必ず汚す者や住み着く人が必ず出てくるからだ。冬が厳寒で人口密度が極端に低く、それでいて自然が豊かだからこそできる技。そして使う側のモラルも高いレベルに保たれている。こういう場所を見ると、つくづく東北や北海道というのは「日本じゃないな」と再認識する。とても静かな道の駅で熟睡できる。


岩手県紫波町〜盛岡市〜陸前高田 5/06/2002

朝起きると8時頃からもう物産の即売が始まっていた。りんごジュースだけで10種類はあるだろうか。1本買って朝食の食卓に。朝食後、今日こそはと意気込みながら盛岡を目指すが、出発したのは11時を回っていた。途中R396に花月堂というお菓子のお店があって、そこに「白龍のじゃじゃめん」というのぼりが立っていた。もしやと思い、Uターンして花月堂に入ってみる。オーダーしてみると果 たしてそれは紛れもない白龍のじゃじゃめんだった。しかも本店では殺気だった雰囲気の中で一気に流し込むようにして食べるのに対し、ここではまるでホテルのレストランの様に、雄大な岩手山と北上盆地を一望しながら、優雅にあの麺をすするのである。今頃川徳店でも長蛇の行列が始まっている頃だろう。そう思いながら最後の麺を口にいれたら、背後から「お作りいたしますか?」と品の良いウェイトレスが声をかけるのである。もちろんそれは「ちーたんたん(じゃじゃめんの後に食べる卵のスープ。これがあって初めてじゃじゃめんは完成するのだ)をお作り致しますか」という事だ。なんだこのギャップは?これがじゃじゃめんなのか?ちーたんたんなのか?あの薄暗いじゃじゃめん屋の雰囲気はどこにもない。ふと見上げると、岩手山が静かに笑っていた。

じゃじゃめん。花月堂の箸袋とナゾのスプーン(本家にはない)に注目。


【花月堂 乙部店】岩手県盛岡市
花月堂は盛岡市内に本店を持つお菓子屋さん。ここ乙部の丘陵地に、郊外型の販売所兼レストランがある。ここで白龍のじゃじゃめんが食べられる。 駐車場は狭い。コーチメンがやっと測道にはみ出る格好で停めたから、おそらくクラスCは無理だろう。国産のキャブコンならほぼ間違いなく停められる。


じゃじゃめんとはそもそもなにかという話は他のサイトに譲るとして、近頃全国規模で有名になりつつあるこの超B級フードも、かつては白龍と他1〜2店でしか食べられない、盛岡のごくローカルな学生の食べ物だった。僕もいまだに月に一度は「食べたい」という欲求にかられてどうしようもなくなる。そのかいあって、最近では自分でも似たようなものを作れるようになった。なにはともあれ、 じゃじゃめんを思う存分堪能した我々は岩手県を斜めに南下することにした。途中、宮守村のめがね橋に立ち寄った。



【道の駅 みやもり】岩手県宮守村 R283
宮沢賢治の銀河鉄道の夜のモデルになった、旧岩手軽便鉄道(現JR釜石線)の鉄橋のたもとにある道の駅。何度もここを通 ったことがあるのに立ち寄るのは初めて。以前からドライブインがあったが、整備されてめがね橋(鉄橋の通 称)を間近に見られる公園が整備されている。

ネリと眼鏡橋(なんか運んでるな…)


夕方たどり着いたのは陸前高田市にある道の駅 高田松原。今日はここにP泊することにして、松原を散歩に出かけることにした。そこでまたしても黒ラブを連れた人に出会う。きちんと訓練されたラブラドールで、聞けば全て自己流でやられているとのこと。ネリができないような訓練まで上手にこなしているのにはびっくりした。本当にラブが好きなんだなあと実感。我々もネリと暮らしているうちに、ラブラドールの素晴らしさや心地よさに日々メロメロになっていっている。夕暮れの海でしばし談笑し、そして挨拶して別 れていった。旅で人に出会うのが楽しみになっている自分がいる。

ローズちゃんとそのパパとネリとちー。ローズのパパさんへ、もしこのサイトを偶然でも見てらっしゃったら、お手数ですがこちらまでご一報下さると嬉しいです。写 真をお送り致します。5月6日夕方、高田松原で犬と猫と砂浜にいた3人組です。犬の名前は「ネリ」です。

 

 

 

 

 


 

【道の駅 高田松原】岩手県陸前高田市  R45
国内最大の防砂林と言われている高田松原に隣接した道の駅。めいめい勝手に過ごすと最も居心地がいいように、松林を中心にキャンプ場やユースホステル、遊歩道、野球場、野外活動センターなど、様々な施設が道の駅から歩いてアクセスできるようになっていた。ちょっと広すぎるほど駐車場は広大。P泊場所はどんな大きなクルマで行っても好きな場所を選べるが、あまりに広いため、広さに慣れてない人にとっては逆に不安になるかも。海岸沿いだが風はさほど強くない。

(続く)

陸前高田〜宮城県気仙沼市〜津山町〜福島県郡山市 5/07/2002

薄曇り。ゴールデンウィークもいよいよ終わり。2日ほどずらして休みを取っていたが、8日までには都内に入らなければならない事情もあって、先を急ぐことにした。最後の訪問地気仙沼市を目指す。気仙沼は至る所でおいしい魚が食べられるから、別 段迷うことはないが、先を急いでいたことや、久しぶりということもあって観光客向けの施設のみで用を済ます。目指すは海鮮市場海の市。その中にある寿司屋だ。

海鮮市場 海の市】宮城県気仙沼市 R45
気仙沼市内から気仙沼港沿いに走って魚市場の手前にある。分かりやすいので初めての人向き。駐車場は露天と立体の両方があるが、キャンピングカーなど大きいクルマは露天が無難。空いていさえすればマイクロバス程度までなら横幅関係なく停められる。1階は魚介類やおみやげの即売所。魚市場に上がったばかりの魚が手に入る。寿司屋やフカヒレを食べさせる店、ミュージアムなどもあって、気仙沼の漁業の歴史や成り立ちも知ることができて便利。

【気仙沼さかな豆知識】
全国的に知られる気仙沼の魚介類を挙げたらキリがない。ほとんどが気仙沼を発祥としてブームが起き、そして一般 化している。その最も古いのがサンマ。気仙沼は元々サンマ漁で大きくなった町。有史以前からとっていた痕跡もあるという。でも実は「気仙沼産」は水揚げ量 ではなく、味そのものがブランド化するほど素晴らしい。サンマは夏頃にオホーツク海から徐々に三陸沖まで下ってくる。で、もっとも油が乗っていて、しかも肉厚でうまい時期に気仙沼近海を通 る。それでサンマの町だったのだ。気仙沼では昔からサンマとサバは刺身で食べる。最近は氷温輸送が可能になって、大都市圏でもサンマの刺身は食べられるようになった。

スーパーなどで「刺身用」と書いてあるサンマを見つけたら、まず鮮度を確かめよう。鮮度の確かめ方は簡単。鮮度の良い順に1:死後硬直が解けていない(軽く持ち上げて、魚体がピンとしている)2:魚体が弓なりにはなるが指で押してもぷりぷりとして張りがある。3:魚体の張りはやや失っているが目は青く澄んでいる。生で食べられるのはここまで。以降、目が充血したり、目の周囲が赤く滲んでいたり、指でかるく魚体を押したときにぶよぶよした感じがするものは決して生では食べてはいけない。サバはどんなに鮮度が良くても産地から離れたら刺身は無理。「サバの生き腐れ」はダテじゃない。

サンマと並んで有名なのはマグロ。これも気仙沼では1000年以上前から組織的、計画的に漁が行われていた痕跡や記録があり、日本人の殆どがトロと赤身の区別 すらつかなかった時代から既に主力となっていた漁業だ。初めは近海でも獲れていたが、徐々に沖合、遠洋へと変わり、最盛期にはインド洋、さらには大西洋にまで伸びていった。そしてそれを気仙沼で水揚げし築地に送る…というのがパターンだった。子供の頃は気仙沼港の岸壁をビッシリと埋め尽くしたマグロ漁船を、端から端まで約1kmぐらい、船を伝っていけるほどだった。一体何百隻あったのだろう?地元の人は昔から、船が港に入ると東京や大阪で見向きもされなかったトロや中落ちを、近所同士でお裾分けして食べていたため、今でもマグロに関しては「超」がつくほどうるさい。マグロのカブト焼きや目玉 料理など、要するにマグロ版「ホルモン」料理は気仙沼でしか食べられなかった。が、最近ではグルメブームからマグロ人気も沸騰し、全国の港で近海マグロ、生マグロを売りにしているため、気仙沼の遠洋冷凍マグロはすっかり霞んでしまった。しかも、実はテレビや雑誌などで築地の仲買人に言わせている「極上」と言われる近海生マグロのトロよりも、インド洋で獲って冷凍されたマグロの方が熟成されていて旨い…という真実の方は誰にも教えず、気仙沼は有史以来の伝統を持つマグロ漁にそろそろ見切りを付けようとしているらしい。

そうして最近とみに気仙沼を有名にしているのがフカヒレだ。このフカヒレと並んで三陸名産(石巻付近)として香港に輸出されている干しアワビの方は違法性(密漁)の問題がささやかれているせいか、気仙沼はあわびには目もくれず、せっせとフカヒレの生産に精を出している。実はこのフカヒレ、漁の時に網にかかって邪魔でしょうがなかったサメの処理を相談されたとある個人が、中国料理の材料にしたらどうだ?とアイデアを出したのが始まりらしい。僕もなんとなく「実験だ」と称してサメのひれを干している現場を見たような気もするのだが、何せ山師がわんさといる気仙沼のこと、そういうのもまあ伝説のひとつ。僕が黎明期を知っている位 だからそんなに歴史は古くない。いずれこのフカヒレ作りも、気仙沼以外の港でも見られるようになるのだろう。いずれにしても、現在気仙沼で最も勢いのある魚が「サメ」なのだ。

隠れた気仙沼の旨い魚にはカツオがある。「カツオと言えば高知だろう」というのはシロウト。「マグロっていやあトロだろう」というのと同じ。三陸のカツオは「戻りガツオ」といって、春先に黒潮に乗って四国付近を北上してきたカツオが、秋口に三陸沖で脂のノリがピークに達する。だから気仙沼のカツオの食べ方で一番旨いのは刺身、そして寿司。加工するなら「生利」といって鰹節の生っぽい感じのもの。高知のカツオを一番おいしく食す食べ方はもちろんたたき。気仙沼の戻りガツオでたたきをしてはいけない。それから鰹節にもできない。初鰹(高知のカツオ)と戻りガツオ(気仙沼のカツオ)はそれぞれに合った調理法で最高のカツオになる。(ああ食べたい。。。)
その他にも、マンボウ、ほや、かき、うになど、三陸ならではの魚介類で気仙沼のあちこちが溢れかえっている。

さて、気仙沼で魚介類を堪能し、明るいうちに進めるだけすすもうということで帰途R45を南下、途中津山町の道の駅津山(もくもくハウス) に立ち寄り、石巻で三陸縦貫自動車道に乗り、仙台東道路〜仙台南道路を経由して東北自動車道に入った。雨がぱらついてきた。

【道の駅津山】宮城県津山町 R45
宮城県には道の駅が少ない。少ない上に他県の道の駅に比べて内容的にもモチベーション的にも明らかに見劣りする。道の駅津山も、一見頑張っている風には見えるが、なんとなく金と人力だけかけた風的なノリがあって、輝くような魅力には欠ける。もっと残念なのはトイレも汚れていて臭いがひどい事。家具展示場の建物は立派で見応えのある作りをしている。駐車場も未完成部分(未舗装)はやたら広いが、完成した部分にはバスが2〜3台停まったら身動きがとれなくなるだろうと思われるほど、クルマの動線が悪い。

東北自動車道を走っているうちに、雨が本降りになってきた。次第に気分も悪くなってきた。過労運転だ。僕はある程度のスピードが出ていないとドッと疲れが出るタイプなので、アルファみたいなクルマで、スピード違反覚悟で走っているうちは平気で4時間ぐらいノンストップで走ってしまうのだが、どういうわけかのんびり運転すればするほど疲労が蓄積してしまう。そのためきっちり2時間に1回、30分以上の休憩が必要なのだ。それでもなんとか休み休み運転するものの、郡山付近で力つき、最寄りのスーパー銭湯に行くことにした。実は以前、アルファで夜通 し運転していた時に偶然みつけた所で、入湯料はベラボウに高いが24時間営業で好きなだけいられるので、次もまた利用しようと決めていた、緊急避難場所だった。

【ふれあい温泉 東洋健康センター】福島県郡山市 R49
東北自動車道郡山インターを出て、R49を猪苗代方面 に走って数分後、右手にトラックターミナルを見ながら走ると左側に和風の大きな門と駐車場が見える。 入湯料は大人1890円。かなり割高だが、手ぶらでも入浴OKで、長時間(24時間単位 )くつろげる。風呂やリラクゼーションの種類も豊富でリラックスしたいなら高くはない。また大型車専用の駐車場もあるので、どんな大きなクルマでも大丈夫。P泊は必然的にOKになるだろうけど、当然だがトイレがないのと、一応「利用以外の駐車お断り」と出ている。一旦P泊のためなどで建物を出たら再入館はできない。

ここで一旦P泊して体力を復活させようとしたのだが、雨が激しくなってきたことや、トイレがない事などいくつかの条件が重なり、再度東北自動車道に乗り、最寄りのP.A.でP泊しようという事になり、東洋健康センターを出た。ほどなくして信号交差点を過ぎたところで前方にトラックが路上駐車しているのが見えた。そこで右にウィンカーを出し、クルマがいないことを確認して右車線に移ったところ、家内が「後ろにクルマ!」と叫んだ。トラックをパスした瞬間にハンドルを左に切ったところで、後ろでなにやらモノが落ちる音がしたが、そのまま走り続けていたところ、クラクションをけたたましく鳴らして追いかけてくるクルマがいる。こういうパスのしかたは首都圏では当たり前だったので「何を怒ってるんだ?」といぶかしんでいると、ハザードを点けながら前方を塞ぐではないか。「これはもしやさっきの音はぶつかった音だったか」と悟った。

事故そのものは、こちらは無傷、相手のクルマはミラーをこすっただけだったため、警察へ行き、形だけ検証してもらい、示談ということで丸く解決できたが、過労を圧して運転を決行したという事への後悔と心理的圧迫感は思ったよりも深く、またキャンピングカーの意外な怖さも露呈することになってしまい、精神的には相当参ってしまった。それでも土砂降りの夜にも関わらず、お互いほんのこすっただけで済んだのは不幸中の幸い…というよりも、ありがたい警告とも取れるほどの強運だった。

キャンピングカー(やトラック)の怖さは、小さな衝突や衝撃をほとんど感じ取る事ができないという点だ。意図がなかったとはいえ、ヘタをすれば当て逃げになってしまう。もうひとつの怖さは、ミラーのあまりの距離感のなさだ。実はコーチメンには、前オーナーが見づらかったのか、純正のミラーを外して日本製のトラック用の凸 面鏡に付け替えられている。この凸面鏡は視界は広がるものの、距離感が全くなくなってしまう。これを意識の上で修正して視認しても追いつかないほどなのだ。「危ないなあ」と思いながら交換部品を探しているのだが、なかなかいいものが見つからないまま今に至っている。そこでこの事故が起きてしまった。

簡単な事情聴取を済ませ、夜半過ぎに警察署を出る。道が分からないだろうと、事故の相手には親切にも我々をインターの近くまで道案内をしていただいた。こんなところ、こんな形でも人の親切に触れる事ができて、実はとても幸運だった。気を取り直して高速に乗り、鏡石P.A.に入る。雨は降っていたが、鏡石P.Aは居心地のいい場所に停められる事が分かっていたので、迷わずP泊。

【東北自動車道 鏡石P.A.】福島県鏡石町
小さなP.A.だが、売店などもあって、割とにぎわいのあるP.A.。上り下りとも、入って一番出口に近い場所が、少しだけ緑の植え込みがあって、人もクルマも微妙にラインから外れるためにP泊に適した場所がある。ただしあまり大きなクルマは進路を塞ぐので無理。コーチメンはリヤハングが大きいので、ギリギリ寄せると5mぐらいのクルマと同じになるので駐車が可能だった。 行きにここで「青唐みそにんにく」のビンを買ったが 、この旅の始終、ご飯のお供としてお世話になった。

 

福島県鏡石〜東京都目黒〜蓮田 5/08/2002

明くる朝には雨も上がって晴れ。東北自動車道を南下する毎に暑くなってゆく。渋滞もなく順調に首都高に入り、目黒へ。目黒碑文谷界隈は、コーチメンを停められる駐車場が今のところ皆無。事務所に寄ろうにも路駐でないと無理なため、一人がクルマで留守番し、他の二人が荷物を運ぶという手順になる。今回は碑文谷コートの南側に路駐した。この辺は芸能人の住むマンションが多く、アヤシイカメラマンがうろうろしてるのだが、そんなカメラマンのド真ん前に路駐するアメリカのキャンピングカーに、カメラマンの方が怪しんで遠ざかる始末(笑)

なにはともあれ、全員無事に帰って来れて良かった。この旅の途中、犬や猫とのやりとりも楽しかったのだが、それは他のサイトに譲るとして、ひとまず大きなキャラバンとしては2度目の、東北じゃじゃめんツアー、無事終了。


<メモ>

  1. 出発が遅れたこともあったが、予定4泊で全行程1200kmが、かなりのハードスケジュールだと分かった。
  2. また行程の内容に比して日程の組み方が短すぎる。今回の内容だと前後にプラス2泊は必要。
  3. もっと行き当たりばったりで動かないと疲労が蓄積されてしまう。今までの旅行の考え方を根本から覆して考える必要があった。
  4. そんな訳で、計画性よりも、日程的な余裕が欲しい。

<データ>

  • 日数:5日間
  • 走行距離:795mile(1272km)
  • 平均走行距離:254km/日
  • 概算消費ガソリン:約270L
  • 推定燃費:約4.7km/L
  • 給油回数:3回
  • ガソリン代(給油分):約25000円
  • 最安価スタンド:栃木県小山市(関東宇佐見出光スタンド )92円/L


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