34 またしても(2002/08/28) |
まあ、現象としては慣れっこです。かつてアルフェッタも環七のど真ん中でやったことがあります。こうなってしまうとMTのクルマは走ることはできません。いえ、正確には1速に入れてからクランキングすればエンジンはかかって「ノークラッチ」で走行することはできます。実際、三軒茶屋から碑文谷まで自走し、さらにそこから4kmほど離れたワークショップまで自走して修理を依頼した事があります。あるいはアルフェッタの場合1速のギア比がとてつもなく低いからできることかもしれません。でも75でもまるっきり走れないワケではないかもしれません。でもやる気も起きません。無言でキーを戻して無表情にドアを閉め、その夜はそのまま寝てしまいました。 スレーブシリンダーは、抜ける数週間前にわずかな前触れがあります。 それはクラッチペダル自体に来る本当にわずかな手応えの異常です。この前触れを「今度は逃すまい」と思っていました。けれども75はどういうわけかその前触れがありませんでした。他に考えられる前触れと言ったら…ブレーキフルードの減りがここ半年ぐらいから極端に多くなっていました。けれども6年落ちで購入した直後から、この75というクルマは電力が不足気味で、冷却水は日々減り続け、ATフルードも定期的に補充してないとどんどん減り、ブレーキオイルは常に減り続けるクルマだったため「90年代の欧車はこうなのか」とあまり深く考えることもせず、こまめにそれらを補充しながら走る日々を送っていました。 しかし、恥の上塗りを言えば、この5年間、クラッチフルードだけは、足した記憶がなかった…いえ、クラッチフルードタンクそのものをどうしても探し当てる事ができなかったのです。75の場合、ブレーキフルードのタンクと兼用になっているんですが、この事実をクラッチが抜けて初めて知ることになりました。 買った直後、どうしてもクラッチフルードタンクの場所が見つけられず、当時のショップに聞いたら「75のクラッチはワイヤーですよ」なんて訳の分からないこと(さすがに僕もこの時は「コイツはきっとアホウに違いない」と思った)を言われた事を思い出しました。ちなみにその担当者は今、ラテン車専門の中古屋の社長をしているようです。 もし75TSにヘインズマニュアルがあれば見逃すはずもありませんでしたが、残念ながら75にはまだそれがありません。いえ、それ以前に僕自身、75にさっぱり愛着が全然持てずに、「イマドキのクルマのクラッチがワイヤーなワケないだろっ」と言いながらも自分では探すことなく乗りっぱなしにしていた上に、毎日の足として酷使していたのですから、気づけないのも無理ありません。 思えば、ここんところの75のトラブルは、クルマがかわいそうになる様なトラブルばかりでした。日頃から手をかけていさえすれば防げた事ばかり。 直さなくちゃと思いながら3年も放置したままの不具合もあります。アルフェッタはあんなに寝食を忘れるほど手をかけたのに…。 それにしても、このやる気のなさは一体なんだろう?75のクラッチが抜けた晩以降、一歩も近づかず、結局4日間もクルマを駐車場に放置してしまいました。 部品を発注して交換すればすむのにそれを嫌がる自分。どうしても75を愛せない自分。 |
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