33 修理工場で叱られる(2002/06/12)


翌日、お世話になっているお店に電話、そしたらどういうわけか近所のワークショップが駆けつけてくれました。 「こんな近所にアルファのワークショップあったっけ?」といぶかりつつも、代替バッテリを付けて貰って、ショップの軽トラの後ろを付いていくと、見覚えのある看板。そう言えば、時々そこを通ると、アルファとかビュイックとかの古〜い手書き看板があって「なんだろうなあこの工場?」とは思ってたんですが…。

そういえば昔、旗の台にも小さなワークショップがあって、クラッチのスレーブシリンダの修理を頼んだ事があったっけ。そこは、雑誌にもWEBにも頼らずに自力で探したアルファショップで、社長はメカニックの常でやたら愛想のない人だったけど、仕事がとても丁寧で、車検もお願いしようと思って1年ぐらい経ってから連絡してみたら無くなっててガッカリしていたんですが、後でガッタメラータの社長さんに聞けば、「その人も元々伊藤忠でアルファのメカニックだったはずだよ」。惜しいショップでした。

さて、中1日で修理完了の知らせが来て再び尋ねていくと、社長さんらしき人が待ち受けていて、30分ぐらい、乗りっぱなしの害についてお説教を貰いました。

そこで今までどれが真実なのか分からなかった「OIL交換の時期」について、非常に興味深い話を聞きましたので、ここにメモっておきます。

古い広角バルブのアルファ乗りの間では、よくOIL管理について両極端の意見を聞きます。
ひとつは、「高価かつ粘度の高いOILを長いスパンで取り替える。あまり頻繁だと、OILが馴染めずにかえって機械を傷つける」という説。
もうひとつは「安いOILを頻繁に替える。3000km毎が理想的」という説。

で、長い間、僕はこの2つの説の間を行ったり来たりしていました。gtvの頃はどういうわけか粘度の高いOILが手に入らなかったため、かなり頻繁にオイルを交換していました(それでも4〜5000km毎)。が、75TSになってからは、ちょうど旧車ブームやアルファブームも手伝って、20-40という高粘度のOILが手にはいるようになってきたのと、OILフィルターの入手にもさほど苦労しなくなったため、かつてドイツ車で実践していた7000km〜10000km&モーターアップの組み合わせという超長距離スパンに変えてしまったのです。(記憶が確かなら、ゴルフは高いOILを15000kmおきに替えて、その間数度OILを継ぎ足せという指示だった)

ところがそのワークショップの社長さんに言わせれば、 エンジンからOILが滲んでいるという事自体、OIL管理が悪い事だというのです。アルファなどのイタ車のガスケットやシールは元々密閉性がよろしくない上に、劣化OILに非常に弱い性質のため、 頻繁にOILを交換しないとあっという間にダメになってしまい、冷却系統にOILが回ってしまってラジエータ周りを詰まらせ、オーバーヒートを起こす原因を作るというのです。

確かに僕の75は、買った時からずいぶんとOILの滲みが目立つクルマでした。

「でもエンジンそのものはかなり回しグセを付けて調子いいんだけどな」
そう思いながらも、確かに僕自身のオイル管理もいいとは言えない、いや、かなりずさん。

社長さんの話は続きます。
「これがずさんなOIL管理の結果だ」と 社長さんが見せてくれた、たまたまオーバーヒートで入院中だった、別の75のピストンとシリンダを目にした時は、あまりの惨状にがく然としてしまいました。4つともサビサビでシリンダとピストンが固着した状態 しかもスラッジなのかキノコなのか分からないようなものが生えていて これじゃあ普段からオーバーヒート気味で走ってただろうと 容易に連想させるようなものでした。

「そして僕の75も常にヒート気味で走る」

もし、3000km毎にきちんとオイル交換さえしていれば、少なくとも15万kmはO/Hなしで乗れるのだそうです。

「75と言えどもアルファなんだ…」

そんな事を思いながら、すこぶる調子の良くなった75を走らせて、2日ぶりに帰宅したのでした。



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