結構しつこく乗ってみた印象

TOYOTA
スターレット
カローラ/スプリンター
コルサ/ターセル
タウン/ハイエース
カリーナ
カムリ
マークII
セリカ
スープラ
クラウン
セルシオ


トヨタは、縁あって様々な代、様々なタイプのものを運転する機会に恵まれている。結局なんだかんだ言っても、みんな一番お世話になっているメーカーである。乗り味や居住性はどのクルマもどの年式も不思議と似ている。違うのは、バネの柔らかさ加減と振動。そしてそれら全てのバランスが理想的に組まれたのが、クラウンだ。こいつは素晴らしい。日本人が唯一世界に誇れる「日本人のためのクルマ」だと思う。セルシオには魂がないが、クラウンにはある。センチュリーはもっと凄いのだろうか?乗ってみたい。。。ただし、トヨタのクルマは売れているクルマに限って「何もそれじゃなくてもいいじゃない」と思ってしまうクルマばかりだというのが気になる。それと全車に言えるのは、前輪と後輪の沈み込みのタイミングが合ってないって事。なんでこれを変だと思わないんだろう?ブカブカのアメ車だってこうはならない。

NISSAN
Bluebird910セダン(1600cc) 、2000SSSなど

 NAPS(日産の排気ガス規制用初期エンジン)に加えて、1600ccという非力さも相まって、とてつもなく遅いクルマだった。いわゆるブルーバードの代名詞である2000SSSとは、別 モノのような印象も受けそうだけど、実はシャシとエンジンのバランスはSSSよりもこれら廉価版の方がずっと良かったのは810あたりから。70-80年代日産のトレーリングアームや4リンクはどれもバタついて乗り心地最悪だけど、ノーマルタイヤでもかなり踏ん張り、粘る。だからそれなりに安全を感じた。別 に「4輪独立懸架」 じゃなくたっていいのだ。
ただ、この当時の日本車はどれも例外なく120km/hを過ぎたあたりから、ハンドルがぶれ出す。
 ご老体にむち打って、峠で少し無理なコーナリングをした時から、前サスがねじれてしまい、手放した。

910は10年経ってもサビ一つ出なかったかわりに、立て付けがどんどん狂ってくるクルマだった。

 

NISSAN
パルサーAD(1500cc)

商用バンで2ヶ月間ほど、一日400kmぐらいずつ走っていたことがある。日産のベーシックカーや商用車はなんというか、とにかく「走る」だけならどこまででも走っていきそうだ。決していいクルマではない。けれどもラリーの経験は伊達ではない。悪路になればなるほど燃える。ドライバーの冷酷な仕打ちに耐える力を持っている。やっぱりダッツンはトラックメーカーなのである。

 

NISSAN
シルビア(2000ccNA)

最近はトヨタが安FRを自分の十八番みたいに宣伝しているが、シルビアはいつだってFRでなかったことはない。
若者よ、屑鉄になりかけの86なんかさっさと捨てて、シルビアの内装とっぱらって乗り倒した方が100倍人生は素晴らしいゾ。シルビア…名前はダサいが一本筋の通 ったいいクルマ。唯一の欠点と言えば、慣れないで素人運転するとタイヤの限界が即コーナリング限界になっちゃうちょっとシビアなところ。

その他の日産の安車
マーチ
サニー
パルサー
マキシマ
そんな硬派なダッツンが、ひとたび「乗用車」をみなさまにおやすく提供しようとすると、途端に内装と足回りがヘナプーになる。ナゼだ?
HONDA CIVIC

HONDAの2輪車は大好きなのがいっぱいあるのに、自分でも意外な事に4輪車は殆ど乗ったことがない。父親が昔N360に乗っていたのと、CIVICを何台かだけだ。

CIVICはいつもワンダフルだ。余計なものがない。余計なモノがないというのは、写 真で見れば寂しいけれど、CIVICの場合、運転席に座っても、他メーカーと違って、悲しくなったりしない。何はともあれ何にも囚われずにドライビングプレジャーと日本人が考え得る限り最高の合理性の粋の両方を、日本の法定速度域で楽しめる。

でも、買うか?と言われると年を追う毎に「?」が増える。今後もおそらくHONDAにはそれほど乗る機会はないような、そんな予感がする。好き嫌いでなく、目に飛び込んでこない。縁がないのだ。

 

初代MAZDA(EUNOS) RoadStar(1600cc)

 初代の中の初代というヤツを、数ヶ月だけれど存分に味わえた事を幸せに感じる。「1600は剛性が足りない」という指摘もあるけど、レースでもしない限り関係ないというのが僕の印象。ドライビングプレジャーを教えてくれた1台。
 問題は1時間も乗ると腰が痛くなる純正シート。マツダは昔からシートが良くない。それと鈍重なエンジン。DOHCだとは一瞬分からないくらい。この手のクルマには1600cc以上のエンジンは要らないかわりに、もっとレスポンスが良くて、重量 の軽いエンジンが欲しい。

 

EUNOS COSMO

バブルの絶頂期に世に出た、言わずと知れた3代目。これはチョイ乗りしただけだが、ぬ ゆわkm/h巡航という体験を生まれて初めてやったクルマでもある。泣く子も黙る3ロータリー+ターボの威力は、異次元の世界。でも1500rpm以下のトルクが全然なくて、ドッカンターボなので、アヴェニューカーにも関わらず、街中では案外乗りにくかったりする。

ところで、このクルマは確か、世界で初めてカーナビをビルトインしたんじゃなかっただろうか。2kmぐらい平気でずれる凄いヤツだった。

しかしたとえ何キロずれていようとも、白い本革のセパレートコクピットの向こうに浮かぶインパネとナビは、明らかに僕らが子供の頃に夢見た未来カーのそれだった。
キライなクルマじゃない。

 

NISSAN 300ZX

これもほぼチョイ乗りなのでインプレッションというところまでは行かないものの、2速でぬ うわkm/hまで引っ張った瞬間、良し悪しは別にしてスポーツカーというものの一角に触れた気がしたのは確か。ハンドリングも思いの外シャープで、ノーマルでここまでリニアな切れ味、回頭性を見せるのは、当時の同等国産車ではたぶんナンバー1。 例えばライバルの様に称されているスープラなどは、GTレースなどの活躍では格上に見えるが、ノーマルでははっきり言ってしまえばZXの足元にも及ばない馬の骨。

ちなみに当時のスカイラインGTS-T(パワーがZXにほぼ同等)を比較試乗しているが、どういうわけか印象は全く残っていない。

 

いすゞジェミニディーゼル(初代) オペル、GMがワールドカーに仕立て上げた初代ジェミニは明らかにドイツ車だった。ドアの閉まり音、剛性、何から何まで、当時の日本車の水準をアタマ1つ超えていた。ただ室内は当時のカローラよりも狭い。この時代、日本車は4年以上経つと錆びる事になっていた。初代ジェミニも決して例外じゃないけれど、それでも他に比べたらマシってな感じ。

ちなみに同じいすゞのフローリアンは、製造中止になるまで国産車の有効室内長ナンバーワンをキープしていた。

初代ジェミニと聞けば、やっぱりZZ。でもATディーゼルも隠れた名車だった。ディーゼルでAT(せいぜい50PS)と聞くと全然前に進まなそうなイメージだが、実際はゼロ発進加速以外はかなりキビキビしたクルマだった。それどころか、世界中のクルマが排ガス規制と省エネブームで汲々としていた当時、アクセルは常にON/OFFでとてもラフに扱えるラクチンなクルマだった。黒煙を濛々と吐きながら突進してゆく様はまるで蒸気機関車の様。
扱いの気分としては、VWビートルに近いものがある。
こういう性能度外視の気楽でファンな実用車、以前は日本にもたくさんあったはずなんだけど、なんか近頃はカタログデータばっかりシビアすぎてつまんない。

いすゞが乗用車から撤退したってのは、向かいに出来た牛丼チェーンとの競争に負けて、老舗のすき焼きやが店を閉めてしまったぐらい、残念なことだ。

 

MITSUBISHI PAJERO

パジェロがクロカンを名乗りだして大ヒットした最初のモデル。父親のそれをちょいちょい借り出しては山に行っていた。実はパジェロは2代目以降からオンロード指向になったように思われているけれど、乗用のそれは初代からブカブカのサスとフワフワのパワステ付きである。んまー、パジェロに限らずSUVというのはクルマとしての性能云々を言っても始まらない。

 

VolksWagen Golf II

 新車、中古車と、2台乗り継いだ。Golf IIのシートは文句無しに世界一。特にGTI用のスポーツシート(GTIでなくても選べた)は。8時間ぶっつづけでも全く疲れない。Golfには何度も命を救われたし荷室も広大。ただし室内騒音で頭が痛くなる。さすが外科医学の本場、フィジカルな発想は完璧だけど、精神的には圧迫感の残るツーリングカー。


 ゴルフは飽きない。でもそれはポジティブな要素ではなく、どちらかというと、基本に忠実だから。嫌気を差さずに手元に置いておけるツール。決してエンスージアズムを刺激してくれるような要素はない。もう一度ゴルフに乗るか?たぶん乗らない。僕の中でビートルやゴルフがコンセプチャルだった時代はとうに過ぎ去った。

 

CITOREN BX Break

 「一生に一度はミニに乗れ」と言われる。1960年代ならそうだったかもしれないけど。僕なら「一生に一度はシトロエンに乗れ」。ただしハイドロに限る。ハイドロのシトロエンに乗ったことのないクルマ好きはかわいそうだとまで断言できる。それだけハイドロニューマチック(今はハイドラクティブというらしい)という機構は革命的フィーリング。そんな訳で当時勤めていた会社に買わせて自分のゴルフと交換して乗り回していた。


 BXは、シトロエンが「変なクルマ」だった最後のクルマ。プジョーに吸収されてインパネは段々普通 になりつつある時期。シトロエンの美点は3つ。シートと荷室と乗り心地。シトロエンの乗り心地が上質のワインなら、電子制御式エアサスは雨水だ。

今ならまだ間に合います。どうか一度はシトロエンに乗ってください。

 

CITOREN XM

BXの上を行く乗り心地と直進性。これさえあればたぶん何も要らない。これで1000kmぐらいの距離を何度も往復した事があって、いまだにXMほど日本が狭く感じるクルマにお目にかかってない。最新のV6シトロエンなら、もっと狭く感じる事だろう。


位置付け的にはシトロエンDS〜CSの流れをくみながら、プジョー505に使われたV6エンジンを横に積んだラグジュアリーセダン。といっても、同時期のクラウンにさえ比べようもない安っぽい内装。元々シトロエンはDSもCSも決して高級車ではなかった。にせよ安っぽくもなかったはず。XMとBXだけが突出してヒドい。

何にせよ、1980年代設計のヨーロッパ車ってのは、ドイツもコイツも内装がヘボすぎる。むしろイタリア車が一番しっかりしているぐらいだ。でも僕はこの方が好きだったかな。95年以降になってフランス車が盛り返した頃の最後期型XMなんて、とてもカタギが乗るようなクルマじゃなくなってたし。

案外このクルマはコーナリング性能がいいのです。上り坂に強いFFとは何か?ってのが、こういうのに乗ってみて初めて分かる。重量 車でもFFでいいクルマはいい。

 

いすゞエルフ(2〜3t積みアルミ)

実は何を隠そう、僕は引っ越し魔で、しかも業者に頼まず自力でやる癖がある。なのでエルフの2tはナローショートからワイドロングまで一通 り乗った。トラックって結構好きなのだ。

ただ、道具としてこの2tクラスのトラックを考えると、どうしてもハンパに感じるのも事実だ。例えばワイドロングや超ロングぐらいになると全長が6mを超えるから、結構取り回しにも気を使う。キャビンはどれも1.5tとそう変わらない狭苦しさ。飛び跳ねるサスの硬さと相まって、長距離になると相当に苦痛を強いられる。かといって街中での取り回しがそれほどいいとも言えない。

そしてこの2〜3t積みの最大の泣き所は、決定的にアンダーパワーという点。空荷の状態で辛うじて高速道路を他人に迷惑かけずに走れる程度。それでも上り坂では常に登坂車線を走らなければならない。「遅い」ということがいかに怖い事かを体験できる。

個人的には、このサイズのトラックには、ぜひとも50kg/mクラスのエンジンと十分なクラッシャブルゾーン、強力な排気ブレーキ、そしてコラムATをセットにして欲しい。そうすればもっと売れる。

 

日野レンジャー(4t積み、アルミ)

そんなら普通免許で乗れる最大のヤツに乗ってやれと思って、レンタカー屋に無理を言って引っ越し用に借りたはいいけれど、家の前の角が曲がれずにズッコケたクルマ。結局、広い場所に停めて人力で100mぐらいえっちらおっちら家財道具を運んだ。2倍疲れた。

2tのディーゼルは非力でしかたがないが、4tともなるととんでもなく素晴らしい加速になる。排気ブレーキだって、2tがもうウソっぱちみたいに見えるぐらいよく効く。そして交差点で信号を待っている間、ブレーキをふんだり離したりしてると「プシーッ!」と音がするところ。なんかイッチョ前のトラックっぽいではないか。

でも何より素晴らしいのは、後ろにベッドがついているということだ。寝れる。これがこのクルマの可能性を最も雄弁に語っている部分だ。それもそのはず、この4tキャブは確か8t辺りまで共用だった。

唯一にして最大の欠点は、ファミレスやコンビニに入れない事。別 に断られる訳じゃない。4tを駐車できるスペースというのは、普通車で生活する日常には、皆無。そして1人じゃ後進もできない、怖くて。今ならバックモニターがあるけど当時はそんなもんなかったし。しょうがないので、トラッカーの集まるドライブインで大盛りのメシを食うしかない。でも、逆にそういう中では4tというのは実にちっぽけな存在なのだ。

 

AlfaRomeo
AlfettaGT1.8/GTV2.0
75TS
e.t.c.

アルファロメオというブランドは超有名。でもアルファロメオのクルマとなると話は別 。 詳細はこちら

FIAT Panda

これの1.1Lは名車。4駆はオフ専用車。動力次第でまるっきり違う代物。けれども共通 するのは、世界のジドウシャの中で、最も小さく最も高速にして最も安全に走れるのが、このFIAT Pandaなのだという点。

僕はこれでぬうわkm/h巡航、往復1500km以上の高速ツーリングをしたが全くストレスがなかった。これだからイタ車ってのは侮れない。決してファッションで乗るクルマではない。

それと、Pandaのコーナリング限界はすごいゾ。

Rover MINI このクルマ、2週間ぐらい乗ったがとうとう最後までどうコメントしたらよいか分からなかった。担がれたんじゃないかと思ったほど、僕には理解できない世界。
Coupe Fiat

ドッカンターボ健在。FFのくせに加速中ステアリングを取られる(笑)

イタ車通に言わせると、これでもイタ車のターボはだいぶおとなしくなったんだそうだ。ちなみにデザインはちっとも良くないと思う。一見奇抜でギミックたっぷりだけれどイタリアンデザインらしい繊細さに欠ける。秀逸なのはむしろ室内のデザイン。

Peugeot205GTI

この小さなプジョーは素晴らしい。何が素晴らしいかって、凹凸 が激しく曲がりくねって狭い、日本の田舎道にベストマッチングのサスを持っているから。そして、205GTIは軽い車重と鋭い出足を持っている。これら全ての面 で、日本のベーシックカーは失格だ。

よく、この時期のフランス車を称して「剛性が」とか「サスがフワフワ」などと評する文章を見かけるけれど、それはチョイ乗りしかしてない証拠。このクルマであちこち出かけてみるといい。サスというのは固けりゃいいってもんではないのだということを、コイツは教えてくれる。 ちなみにアルファロメオもこの手のサスを持っている。「イタ車はサスがない」なんてのはまったくのデマ。

最大にして唯一の欠点をあげるとすれば、それはインパネ。質感や仕上げに至るまで、日本車に乗り慣れた人にはとても我慢のできる代物ではない。

ところでプジョーに限った事ではないが、フランス車のサンルーフやカブリオレは、世界一。上を見上げるとちゃんと空が見える。人生観が明るくなるのはイタ車に負けてない。

Peugeot505

このクルマはどういうわけか日本ではあまり馴染みのないマニアックな車種になってるらしい。確かにフランス車にしてはめずらしく箱セダンだし、しかもFRだ。ただ単にプジョーが作ったV6の高級セダンというだけだし何か特長があるわけでもない。高級といってもフランス人の高級は実に質素でシンプル。同じ時代のトヨタ車で言うとせいぜいカリーナクラス。加速もどことなく鈍くさい。小回りも利かない。でも、こいつの顔は確かに一世を風靡した一時代前の「プジョー」の顔をしていた。
そして、日本のイージードライブカーになくてこの505やXMにあるのは、「駆け抜ける」よろこび。イージーなのに楽しい。なぜだ。

Mercedes260E

実は排気量も型番も僕はチェックしてなかったので、もしかすると300Eだったかもしれない。とにかく1980年代後半のEクラス。

この数日間借り出したミディアムベンツのドライバーズシートに座って、僕はメルセデスオーナーがなぜメルセデスオーナーを続けるのか、初めて実感した気がした。コイツは本当に優秀で、それでいて十分ファナティック(イタ車のそれとは全く違うが)な乗用車だと思う。

クルマの「曲がる」「止まる」「走る」という性能は、ここまで完璧に仕上げて初めて「意識しなくて済むもの」になるらしい。

もちろん自動車がすべからくこうあるべきだとは決して思わない。僕はドイツ車に乗ると、決まってワグナーのワルキューレの騎行の、あの有名な一節が頭の中から離れなくなってしまう。それは決して敬意から来る連想ではなく、どちらかといえばやりすぎに対するアイロニーだ。ドイツ車は、本当に滑稽なほどにワグナーが似合う。

ただ、一方ではこの10年落ちのEには、ちょっと違うもの「も」感じた。
「これ以外の解は考えられない、カッコじゃないんだ」
という訴えが痛いほど伝わってくる。

そうだ、確かにドイツの気候風土ではこうでないといけない。そこで妥協したら死ぬ からだ。 それは10年落ち10万キロオーバーの代物だったからこそ分かったこと。

このクルマは東京の気候で乗っても、本当の良さが分かるクルマじゃない。見栄ファションで4〜5年毎に乗り換えるようなクルマでもない。ボルボもそうだけれど、東京に住み続ける限りおそらくそのクルマの実力の半分も使う事はないだろう。「優れた外套」のありがたみを味わえないのと同じで。本当の寒さがどこから来てどのように人間の身体や精神に作用するかを知ってこそ外套の価値が分かるというもの。

そういう意味では、多くの日本車がまだ「何も分かってない」部分があるのは確かだなのだけれど、その代わり、東京には「粋」というのがある。ベンツにはない。…あ、トヨタにもないか。

BMW Z1 Z3だろ?と思われるかもしれないが、Z1。知らない人も多いかもしれないが、ユーノスブームにあやかった2シーターでオープンのBMW初代。僕が真面 目に運転した事のあるBMWは今だコレのみ。とにかくエンジンがつまらない。何が楽しいかって、ドアが垂直に消えてゆくあのギミック。これはバカバカしくていい。こんなライトウェイトでもドイツ車走りをしてしまう自分が悲しい。どんなちんけなクルマでも、ドイツ車はそこのけで走るんだと、このクルマで知った。
BMW 635i

と思ったらもう一台乗っているのを忘れていた。友人が一時期乗っていた10年落ちのをちょい乗りさせてもらったことがある。内装はバイエルン風、ハンドリングはアメリカ風、そしてエンジンのフィーリングはあくまでもヨーロピアンストレート6。コーナーだろうが街だろうが峠だろうが顔色一つ変えずに突っ走る。ある意味突出した価値を持つ。

Porsche

Porscheに関しては911と944のステアリングを握る機会を何度か得たが、さして印象を語れるほど乗ってない。というより、試乗レベルではこの手のクルマは語れない。取りあえず、ドライならばコーナリング性能は普通 のクルマの比でないという事だけは確かなようだ。944は2日ほど試乗したが、超高速域で素晴らしい安定性を感じた以外に、あまり印象は残ってない。こういうのでぶっ飛ばしても日本の道はあまり楽しくないのではないか?ドイツ人がマジメに追求している自動車というツールの究極の目標を、日本の道で理解しようとやってみても、なんだか幼稚園児相手に相撲をとって、相撲を理解しようとしているような気分にしかならない。

ところでオーナーには怒られそうだが、最近のポルシェの音は、ホンダアクティが1速全開しているそばで洗牌している音にとってもよく似ている…と思う。

 


自動車と暮らそう


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