自転車 僕は自転車についてはさほど詳しくありませんが、職業柄、自転車と接する機会が比較的多くありました。今でも興味はさほど強くはありませんが、初めてチネリやアレックスモールトン、シュウインと「間近」に接した時、自転車の道具としての本質を考えさせられた事は事実です。 「良い自転車」と呼ばれるものはペダルを踏んだ分、前に進むという感覚があります。デザイナーレベルの想像力では、それを設計段階で予測し実現するのがいかに難しいか思い知らされたものでした。もしかすると自動車もそういうものなのかも知れません。結局この事をつきつめてゆくと「歴史と感性」という身も蓋もない答えに行き着くのですが。 自転車の本質をおおざっぱに定義するなら「人間の脚力を最も効率的に推進力に変換する乗り物」という事になります。しかし、我々が日常で目にする自転車、いわゆるチャリンコと呼ばれるものに、そういう本質的な定義を突き詰めたものが以外と少ない事に驚かされます。 ちなみに先日、キャノンデールというアメリカのMTBを購入しました(F500)。先代の自転車が、学生の頃に面白半分にレストアしたミヤタのロードレーサーでしたから、実に12〜3年ぶりです。初めて自分の意思で買った自転車ということもあって、今回は消去法がその選択の鍵になりました。すなわち「最低限の前進効率」「必要十分なメカ」「最低限のコスト」「最低限の堅牢性(フレーム剛性)」。 全てが「最低限」ですが(笑)、もっぱら愛犬の散歩用に、オンとオフ、階段などがほどよく混じった近くの公園までの道のりに使う事を考えると、F500という定番MTBはベストマッチングでした。たぶんこれが僕の自転車ライフの起点になることでしょう。 |