34:75TSインプレッション(3)(1998/03/07) |
(3)トランスアクスルの凄さを再確認 パワーステアリングだし、エンジンは可変バルブだし...という事でかなり「安楽なクルマだろう」と侮っていた。しかし、思いのほか発進にテクニックがいるとわかって身構える事になる。 実際(アルファはどれもそうだが)ノロノロやっていたのではダルな印象しか受けないし、安楽ドライビングのつもりがグッタリ疲れてしまうことになりかねない。で、一旦身構えて走れば全てが一変するのがアルファ。全ての操作はクイックに変化、コーナリング、追い越し加速、車線変更、ステアリングに伝わる全ての感覚に楽しさと心地良い緊張が蘇ってくる。そういえばgtv2.0で気になっていた不安定なクセも消えているぞ? もちろん設計年度に3世代もの開きがあるのだから、全てが進歩してなければ本来おかしい。しかしそれらは予想をはるかに超えていた。 まずこの75TSというやつは、全ての要素がとことん中高速仕様に振ってある。アルファらしいと言えばアルファらしいが、とてもAlfettaより重いとは思えない瞬敏さは、80km/h前後の中速コーナリングで特にその素晴しさを発揮する。アンダー感はドライバーがわざと姿勢を崩さない限り全くない。そしてロール限界付近から切れ込むノーズは、まるで車重が半分になったかの様に鋭く出口を向く。かなりタイトだと思っていても、トラクションを早々にしかもかなり思いきってかけれる。この辺のタイミングはAlfettaよりもかなり早い。ノンスリップデフの効果もあるかもしれないが、もしかすると前後重量配分はキッチリ50:50じゃなくて、少し前が重めになっている75の方がバランスがいいかもしれないとすら思ったりもする。どちらにしてもFRとしての美点がより一層強調されたような走り方であることは間違いない。トランスアクスルアルファに改めて脱帽。 |