4:大いなる誤解-アルファロメオ(1997/11/12)
 クルマ好きなら誰でも知っているあの蛇のマーク。かつて自動車帝国を築いたヘンリーフォードすらも、街を走っている姿を見かけた時には帽子をとって最敬礼したという、クルマ好きの羨望と尊敬を集めるアルファロメオ。なのに、実際にそのハンドルを握る人の割合はごく少数。でなければ今ごろアルファがフィアットの傘下に入ってFFのGTを作ってる訳がありません。

 「アルファロメオ」という名前自体は、極東の島国でもみんな一度は聞いた事があって知ってます。断片的には。gtv2.0を購入した当時、「アルファロメオを買ったんだって?」という知人達の詮索が数ヵ月続いた事があります。

「うん、買ったよ。アルフェッタ(単にgtvというと誤解されるので便宜上アルフェッタなことにしている)」

「段付き?」

「... 」

こんな事も聞かれました。

「最近、『アルフィスタ』は調子どお?」

まあ、でも上の2例は、どちらかというと「アルフェッタ」というマイナーなクルマ故の誤解ですね。

でもこんな事もありました。

「155を買おうと思ってるんだけど、壊れませんかねえ」

「さあ、知りません」

さらに
「(旧スパイダーを指して)スパイダーにパワステがついたんだって?欲しいなあ。でも錆びるしなあ」

 最近じゃ、155や新gtv、156など、FIAT傘下に入ってから調子を取り戻してきて、都内でも頻繁に見かける様になりましたが、どうやら、巷のAlfaイメージはまだジュリアや「イタ飯ブーム」と同じ次元の様です。

それはとりも直さず、伊藤忠最終期の不幸な時代のイメージをも引きずることにもなっているようです。

「錆びる」「壊れる」「雨漏りする」「乗り心地が悪い」and so on...

そりゃあ僕のアルフェッタは少し錆びてるし時々壊れるし雨漏りしますけど。

でも最近のアルファオーナーの名誉のために言うならば、それらは全部古い誤解です。

この際、その誤解を全部取り払いましょう。

(続く)



5に続く