ツーリングメモ-6 |
冬の旅は大好きだ。 スキーもいいけど、雪も山も遠い関東ではもっと ぼんやりとした旅がいい。 観光地はシーズンオフほどやさしいし 寒くなるほど、空も気も晴れる。 そしてキャンピングカーの中はぽかぽかだ。 |
日光初詣 |
R122〜日光やしお温泉 2003/01/12 |
R122は白山通り(R17)巣鴨あたりが起点だ。かつてこの道は東北自動車道から都内へ入るためのメインストリートだった時期がある。浦和I.C.を降りてほぼ一直線に赤羽に到達、最終的に水道橋の駅前交差点に出る。 北の方はと言えば、荒川を渡り川口市を抜けるとしばらく東北自動車道と平行して走る側道となる。完成した当時は高速道の連絡道を兼ねていた事もあり、いくつか信号はあるもののかなり速度アベレージが高い道だ。やがて岩槻I.C.でR16との交差点に差し掛かる。ここから片側1車線の細い道になる。その細い道がさらに細くなり、蓮田市内で遂に大型車のすれ違いができないほどになる。それでも長距離トレーラーがひっきりなしに行き交う路地を抜けて、大宮栗橋線を横断すると再び片側2車線の広い道に戻り、一気に埼玉県を抜けて群馬県に到達する。群馬県に入ると、R50と交わりながら桐生市、足尾町を経て、最後は栃木県日光市郊外のいろは坂の手前でR120とぶつかって終点となる。 R120との合流点に着いたのは午後7時をだいぶ回った頃。さすがにこれからいろは坂を登るのは精神的にもクルマ的にもちょっときつい。日光市内にP泊できそうな場所があるとも思えなかったが、取りあえず気まぐれに清滝の旧道を走ると日帰り温泉の看板。誘われるままに細い道に降りて進んでいくと、できたばかりだろうか、日帰りの共同浴場があって、広い駐車場は地元の人らしきクルマで賑わっていた。営業は午後8時と書いてある。間に合いそうなのでクルマを駐車場の奥に停めて湯に浸かる。 クルマに戻ってみるとFFヒータの調子がおかしい。再点火に失敗したのか冷たい風が出ていた。一晩中これでは凍えてしまう。ガス切れかもしれない。LPガスの残量メータが備えられているのだが、ガスそのものの特性で正確な残量を計るのはとても難しい。その上、どうもセンサの接触が悪くて満タンかゼロかしか測れない事が多くてあてにならない。さらにガスの充填は記録を付けていないので、目安が全くわからない。ただ、FFヒータを使った頻度でだいたい推し量る事だけはできる。もうそろそろという時期だとは思うが、全くのゼロではないはず。
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二荒山神社 2003/01/13 |
朝、目が覚めると久しぶりに東照宮に行きたくなった。そう言えば今年はまだ初詣をしていない。既に3が日は過ぎているけれど、いいのである。実家が代々神道で大晦日から正月にかけては家の中でささやかな儀式をやるけれど初詣はかなり鷹揚だ。その代わり、どこかに行くたびにふと神社に立ち寄ってはお参りする。年に一度だけでなく、ことある毎に軽くやるのがしきたりなのだ。ちょうど東照宮の隣には二荒山神社がある。今年はここにしよう。 ちなみに二荒山を音読みすると「にこう」、つまり「日光」の語源になったとも言い伝えられている。真偽は知らない。が、発音的には「フトラ山(クマザサの山)」の当て字として「二荒山」になったところまではごく自然だなとは思う。同じ境内にはこれまた二荒山神社と同じぐらい昔から、輪王寺がある。仏教に関係する人ならそれを「ニコウサンリンノウジ」と呼ぶのもまた自然な事だなと思う。で、ニコウサンリンノウジではリズムが悪いので「ニッコウサンリンノウジ」と訛るのも、まあ自然な気がしないでもないなとは思う。
言葉にしてしまえば陳腐だが、いつもこういう場所を訪ねて思うのは、独特のオーラや匂いのある神社が時々あって、それは参道を歩いている時に感じるという事だ。そしてそういう神社に限って「古代からある」と言われている。それは神社単体だけが発散するのではない、元々そこにあった自然や環境が、そこに人をして神社を造らせるに至った独特のオーラを持っていたからに違いない。いつか奥の宮にも行ってみたい。
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日光金谷ホテル |
山を下りてきて、昼食は湯葉を食べようということになった。日光と言えば湯葉。けれども覗いたレストランは観光地価格でどうにも食指が動かない。どうせなら地元の人たちが行きそうなところにしようと意気込んで入った裏通りの食堂。市の職員らしき人たちがワイワイと食事をとっていた。きっと地元の人たちがこんなにたくさんいるんだから美味しいに違いない、蕎麦と湯葉を頼む。果たして出てはきたものを口に運んだ途端にガックリきた。ふと周囲を見れば、みんなが食べているのはカレーかラーメンである。なるほどと得心。
夕方、渋滞も退けてきた頃に宇都宮に向かって走る。途中、やっぱり以前から通りかかっては気になっていたストーブショップに寄り道する。ログハウスを改造した居心地のいいショップ。どう見てもアングロサクソンなのに、もらった名刺の名前も言葉も生粋の日本人のお兄さんが応対してくれて、実際に薪を焚いて見せてくれた。彼は以前、ボロボロのカマロに乗っていたらしい。パワステが壊れていたのにずっと気づかず、「アメリカ人ってのは腕力が強いんだー」と感心していたなどと、見た目にさっぱりそぐわない話をする。こういうギャップは僕は好きだ。それにしてもバーモントキャスティングの暖かさと雰囲気は、百聞は一見に如かず、まさに芸術的。薪さえ手軽に手に入りさえすれば、すぐにでも欲しい、一生つき合えそうなモノを久しぶりに見た。必ず手に入れて使い込んでやろうと心に決めた。ゆらゆらと揺れる炎を飽きずに眺めていると、やっぱり寒い地方がついつい懐かしくなってしまうのだ。 |
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