ツーリングメモ-3

2002年7月のモーターキャラバンの記録。
P泊適地の情報や立ち寄り湯。
景色のいいところやおいしいところなどもどろなわ式に紹介。

 
奥日光へ 〜いよいよコーチメンの本領発揮です!〜
 
まずは気がついたこと(と、5月〜6月の概況) 

5月末、塩竈の両親を乗せて軽井沢にデイドライブしたのを最後、6月中は猫を預かったりW-CUPがあったり仕事が忙しかったりで、ほとんどコーチメンの起動はなし。そのせいか梅雨のせいなのか、久しぶりにエンジンをかけてみると、排気管から真っ赤な水がドバーっと。。。う〜んヤバい、エンジン本体じゃなければいいけど(キャタライザー自体もかなりの水分を含んでいるから)。それと、サイドドアのステップにキノコが。。。どうもこれはキャンピングカーにおいてはさほど珍しい事ではないらしい。。。(絶句)


さて、ちょっとやそっとの自然や風景では眉ひとつ動かさない、ワイルドな両親を感動させたのは、案の定「軽井沢」ではなく、北軽井沢のグリーンプラザ軽井沢であった。なんというか長引く不況と立地のせいか、ソフトはだいぶ「田舎風」だが、この建物自体はいつ見ても圧倒される。

6月中のコーチメンの稼働は蓮田〜本庄間を2往復のみ。

 

蓮田〜鹿沼〜奥日光 7/12/2002

今年は3月に桜が散ったり、梅雨も明けてないのに台風が上陸してみたりと、なんだか天気がおかしい。もうテレビでは34度とか35度とか、そんな事を言ってるし。

関東の暑さは本当に身体に障る。なんというか身体のミネラルバランスが日増しにメチャクチャになっていくのが分かる。
で、毎年決まって夏バテ。でも夏バテを防ぐ方法を知らない訳じゃないし、もともと夏がキライなわけでもない。もちろん夏の遊び…海水浴もカブトムシもキャンプも大好きだ。でも、愚痴っぽくなっちゃうが、関東の暑さというのは、地球規模で見てもちょっと異質に過ぎる。一方、周囲が汗だくになりながらも頑張って仕事してるのを見てると、もしかすると自分だけ根性が足りないのか?とか、身体に備わったミネラルの調整能力が違うのかな?なんて思ったりもする。そんな訳で、夏になると仕事が忙しいにも関わらず作業のペースが3割は落ちてしまう。目黒〜川崎に住んでいた頃には近所中が一夏中エアコンを回しっぱなしにするから、暑さに加えてモーターの低周波。気がヘンになりそうになった。蓮田に居を移していくらかマシになったものの、こりゃイカン、愚痴ばかりでは進歩がないという事でいろんな事を考えたり試したりしてみた結果、キャンピングカーという答えが出た訳。

キャンピングカーなら、涼しい場所に行って、そこで仕事ができる。テレワークの最も進化した形なのだ。テレワークの実験に日夜勤しんできた自分の、現時点での最良の回答ではないだろうかと思っている。

奥日光はその結論を導き出した直接のきっかけになった地でもある。過去に何度もドライブで来ているが、真剣に奥日光を自分のフィールドにしようと決めたのは去年、やはり暑さに負けて中禅寺湖に涼みに来た時だった。三本松Pの木陰のベンチや、森の中で灯りをともす金谷ホテルのラウンジでくつろぎながら「ここで作業ができたら最高だろうな」と思ったものだ。もちろんそのためには最低でも性能のいいノートパソコンが必要だ。でもパソコンだけでもダメだ。金谷ホテルやペンションに何泊もできるほど裕福ではないし、犬もいる。性格的にも「予約」というのが大のニガテと来ている。思い立った時にそこへ行き、発想のおもむくままに仕事がしたいのだ。

ちなみに僕は沈思黙考型ではない。むしろあちこち動き回って刺激を得ることでアイデアが沸くほうだ。よく「森林の中」「自然」だからアイデアが沸くというような事を言う人がいるが、僕はそんな実感をしたことは一度もない。喧騒の中で気が散って集中力が欠けていると、ついついそういう話もありそうだが、それはあくまでも「ありそうな話」。人間、居心地が良すぎると発想はしなくなるものだ。けれどもいざアイデアが具現化しようとするときには話は変わってくる。創造の作業というのはコンセプトやラッシュが具現化するとき、高度な集中力を伴う単純作業に変わる瞬間がある。この瞬間には、全ての雑音から遠ざかる必要がある。それに必要なのが森であったり、高原であったり、居心地のいい書斎であったりするわけだ。「その瞬間」は突然なければならない。「予約して何日後」ではダメなのだ。極端な話を言えば、表参道のど真ん中でアイデアをラッシュした次の瞬間、奥日光の森に飛んで完成形にする…という感じ。まあ、「次の瞬間」というのは無理だけど「数時間を経て」そういう場所にいたい…というのがある。

そういう四の五のを経て、コーチメン稼働の季節の本番がやってきた。

金曜日、僕は来週納品の作業を2本も抱えて暑さと格闘していた。納期設定はかなり無理っぽい。仕事部屋の冷房はもうかれこれ連続72時間稼働している。弱め弱めを心がけながらも、汗をかくとどうしても頭痛がしてくるので温度は下がってゆく。いよいよ限界だなと察した夜の12時、日光に向かってクルマを走らせることにした。最低限の食料と水を積んで近所の久喜インターから東北道に乗り、ゆっくり流しはじめる。4〜50分で鹿沼インターへ。ここでメインタンクが空なことに気づいて、給油のためにインターを降りる(アメ車にS.A.のGSは財布が持ちません)。ところが料金所を過ぎたあたりから強烈なガソリン臭。最初は近くの工場からか?と思ったが、どうもウチのクルマらしい。道ばたに停めて確認してみると、果たしてそれはジェネからだった。ジェネボックスの中はガソリン浸し。けれども新たに漏れている風もない。ジェネはサブタンクと直結しているので、メインからサブに燃料ポンプスイッチを切り替えた瞬間に何かが起きた可能性が高い。取りあえずは様子を見ることにしてG.S.に入った。

せっかく鹿沼で降りたので、例幣使街道を使って今市市に抜けることにした。途中かなり道幅の狭い箇所があるが、夜中の1時過ぎということもあって、無事通過。今市〜日光市内もノンストップで通過。昼間なら渋滞のはずだ。いろは坂は、事前に軽井沢の白糸ハイランドウェイで練習していたこともあって、登りのシフトストレスはない。いや、むしろ白糸ハイランドウェイ(ウェイとは名ばかりの林道だ)よりも断然走りやすい、的確な勾配や曲率が考え抜かれた素晴らしい道路だということに気が付いた。

三本松Pを目指したが、なぜか手前の赤沼茶屋Pに入ってしまい、そのままP泊することにした。時刻は夜中の3時になろうとしている。真っ暗闇だがなんとなくクルマが随分停まっている様な雰囲気。

 

赤沼茶屋〜湯元温泉〜赤沼茶屋 7/13/2002

夜明け頃からクルマの出入りが激しくなる。土曜日だからしかたがない、昼まで眠ろうと思ったが、あまりの喧騒と暑さで、9時前には目が覚めた。そう、涼しいはずなのに暑いのだ。外へ出ると風は爽やかだが、気温そのものは30度近くはありそうだ。もっとも下界の予想最高気温は34度だから幾分こっちの方が過ごしやすい。空気が乾燥してるのと、やはり雲などで日が陰ると途端に涼しくなってくる。

とはいうものの、赤沼Pはハイカーのクルマや観光バスなどで10時には満車状態。停めきれずに多重駐車も始まった。後で人に聞いた話では、ここの駐車のマナーの悪さはかなり問題になっているらしい。ウチのクルマも完全に出入りができない状態になっていた。まあこっちは別に急ぐわけでもないので別段気にならない。そんな喧騒も午後になると途端に引いていった。
作業は思ったよりはかどらなかった。やはり木陰をきちんと選ばなかった(というより混んでいて選べなかった)のが原因だろう。

夕方、パソコンのバッテリがなくなりかけてきたのと、クルマも大方引けてきたので、充電(ジェネを回す)を兼ねてどこか違う場所に移動しようかと思っていたら、一台のエアロクルーザー(日野レンジャーベースの最高級国産クラスA)が入ってきて隣に停めた。エアロクルーザー自体とても珍しいので無遠慮にしげしげと眺めていたら、中から初老の男性が降りてきて「これからどちらへ?」と気さくに声をかけてきてくれた。もう日帰り温泉も閉まっている頃だから取りあえずP泊場所を探そうかと思うと伝えると、湯元温泉にまだ営業しているところがあると教えてくれる。お礼を言って早速湯元温泉に向かう。行ってみて気づいたのだが、湯元温泉には大きな駐車場が3つもあって、なかなかいい雰囲気だった。

駐車場の奥の方に「日帰り温泉¥500」という看板を見つけて入ってみる。

いい感じに古びた木造の共同浴場、入ってみると、たったひとつしかない洗い場に若い男性が一人。所在なげに待ってると、そのうち場所を空けてくれた。遅れて湯船に入り、しばらく何気ない会話を交わす。男性が出ていった後、ふと正面に目をやると、鬱蒼とした大木の森が日暮れの闇を作り出していた。これはこれで味のある素晴らしい景色だ。僕はどうも限度を超えた静寂というのが好きらしい。子供の頃、夜ふとんに入ると「しん」という静寂の音が聞こえたものだった。日光にはそれがある。

温泉に浸かる頃から雨がぱらついていたが、出る頃にはかなり本降りになっていた。P泊場所を探そうと思ったが(と言ってもせいぜい2〜3箇所しかないが)、雨に嫌気がさして再び赤沼Pに戻り、軽く食事をして早々に寝る。雨音を聞きながら眠りに入った。

湯元温泉〜光徳P〜蓮田 7/14/2002

一晩中降り続いた雨は明け方になって止んだらしい。昨日とはうってかわってクルマの数は少なく、気温も低く爽やかで気持ちのいい日だ。携帯でメールチェックをしていると、クライアントからちょっと重ための添付ファイル付きメールが届いている事に気づく。携帯のパケット契約は14.4kbpsのままのため、グレ電(グレーのモジュラー付き公衆電話)のある所まで移動することにした。道の駅なら必ずといっていいほどグレ電があるがここにはない。湯元温泉にあったことを思いだし、移動してメールチェック。データは案の定、デザインの変更に関する部品データだった。無精して拾ってなければ面倒なことになっていた。それにしても、日曜日なんですけど…(苦笑)

右写真の右側に写っているのは観光案内所。東武バスの転回所になっていたり、ビジターセンターがあったり、ちょっとした広場になっている。日射しも出てきたが、ここは赤沼Pや戦場ヶ原よりさらに標高があるせいか、風がかなり涼しく気持ちがいい。家内が近くのパン屋で買ってきたというパンで軽く昼食をとり、午後にはだいぶ作業のメドも付いてきたため、少し散策してみることにした。

 

国民休暇村から湯の湖畔まで遊歩道が続いているので湖畔に出て犬と遊ぶ。というか、犬が遊ぶ。本当に水の好きな犬だ。

湯滝は何度か行ったことがあるが、湯の湖は初めてだ。精進湖にちょっと雰囲気が似ているけれど、標高が高くて人気が少ない分、清潔な感じのこざっぱりとした雰囲気の小さな湖だ。日光は関東にありながら、気候的には北東北の低い山地に気候が似ている。長いこと関東に住んでいると忘れがちになる冷涼さ。

 

 

 

犬が生乾きになったところで移動することにした。まだいろは坂や日光道路は混んでいるだろうから、どこかで少し時間を潰そうと思った。光徳牧場に一度も行った事がないので、夕方だったが寄ってみることにした。行ってみると、駐車場は閑散としていた。昨日のエアロクルーザーの彼が、顔見知りらしいオフロードバイクのライダーと隅っこの方にピクニックチェアを出してくつろいでいた。我々もクルマを停めてコーヒーをごちそうになった。それにしても風が気持いい。途中で隣のアストリアホテルで働いているという地元の人らしきお爺さんも加わり、犬の話やキャンピングカーの話や釣りの話でくつろいだ。彼らはそれぞれ日光が大好きで、休日のたびにキャンピングカーやバイクを走らせて光徳Pに来るのだという。そうしてるうちに1人2人と顔見知りができて、こうしてきままに出会っては雑談するのだという。こういうスタイルには共感するものがある。そしてこういうスタイルに共感する機会ばかりに恵まれている幸運に感謝。

自由に行動する。個々の意志を尊重する。見知らぬ同士を認め合う。お互いに敬意を払った行動ができる。環境への配慮を本能的に知っている…そういった人たちがたまたま出会う。一期一会を楽しむ。貴重な情報を交換する。またそれぞれ四方に散って行く。どこかでまた再会する事を期待する。こうした事ができる、マナーを超えた気持ちのいい人達と出会う事ができるというのは本当に素敵な事だ。

暗くなってきて、またいつか会いましょうと挨拶をしてそれぞれ散っていった。我々も日が完全に落ちるのを見計らっていろは坂を下る事に。日光道路〜東北道と全て高速道を使う。ほぼ2時間で自宅に着いた。

 


<メモ>

  1. 日光と言えども夏の日射しは強い。
  2. 携帯のパケット通信契約を64kか144kに変更する必要がある。
  3. FAXの送受信が当面の課題。
  4. Macはジェネで充電するのではなく、インバータを使った方がいいかも。

<データ>

  • 日数:2日間
  • 走行距離:184mile(294km)
  • 平均走行距離:147km/日
  • 推定消費ガソリン:約50-60L
  • ガソリン代(給油分):約6000円 (91円/L×63L)


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