この数週間、メールや掲示板はたまた直接間接的に励ましのお言葉を下さったみなさん、そっとしてくださったみなさん、それぞれの優しさとお心づかいに改めて深くお礼申し上げます。覚悟そのものはもう既に2年前からしてはいましたが、ペットとは言えさすがに9年間も連れ添っていると、悲しみから立ち直るにはかなりの時間が必要なのだなあということを実感として知りました。
ある日、とあるブリーダーに、アイヌ犬とシベリアンハスキーの子が生まれたという話を聞きました。もともと北方系の立ち耳の犬が好きだった僕はカミさんに「見に行こうよ」と誘われるまま飛んでいきました。マラミュートや樺太犬、北海道犬、ライカという名前は知っていたけど「シベリアンハスキー」という名前は初耳でした。 二間四方ぐらいのサークルがあって、だけど肝心のアイヌ犬は既に飼い主が決まっていました。気がつくと僕の足下には2匹のハスキーの子がまとわりついていました。片方はバイアイで、元気もよさそう。その日は一旦帰宅しましたが、どうもそのバイアイが気になってしかたがありません。
ハスキーという犬は、その犬種自体が不幸の代名詞のような犬。とあるマンガで、現実の性格とかけ離れた描写
をされたために、間違った認識のまま流行し、粗造乱造されたあげく、飼いきれずに不幸な運命を辿ったり、マスコミなどから「ハスキーはバカ」キャンペーンを張られてみたりと、日本に紹介されてからあまりロクな事がありませんでした。 ハスキーの故郷はシベリアの東北部のチュクチというところ。アラスカにいくとそれが少し大型化し、サモエドやアラスカンマラミュートという犬になる。日本のアイヌ犬や日本スピッツとも親戚
。性格は温厚で明るく、人間に対して全く警戒心がないため番犬には向かない。人間を噛んだり脅したりすることも全くない。放浪癖があるけど、群れをとっても大切にするので絶対に飼い主を忘れない。飼い主や他の犬が教えない限り、いわゆる「ワンワン」というような犬の吠え方はしない。かなり寡黙で、人間とのほとんどのコミュニケーションを目配せや甘えなき(ひゅんひゅんと鼻を鳴らす)だけで済ませてしまう。だから犬らしいコミュニケーションを期待する人にはちょっと拍子抜けだけど、あうんを掴むとめっぽう楽しい。 それと引っぱり癖。引っぱり癖はどんな犬でも潜在的に持っていて、ほっておくと散歩の苦労を何倍にも増大させてしまいます。だけどハスキーのそれは他の犬種の引っ張り癖とは根本的に違っていて、家庭犬としてはいささか荷がかちすぎるというのが本当のところかもしれません。 だからひっぱり癖は何がなんでも直すべきだという認識の方が無理があるかもしれません。いや、直せないこともないし、現実に直せるんだけど、とてもやっかいだし、ハスキーのいいところを台無しにしてしまう可能性もあるのです。 ゴルビーの場合、訓練所でしつけられた方法(アトエで誉める条件反射式)にすっかり嫌悪感を感じて、一時期は本当に「ワザ」と引っ張るようになってしまったことがあります。 ハスキーはいいですよ。友達みたいな犬。 。。。なんて言いながらブリーダー探しをしてたりして。 (1999/05/01) |