カローラでテストコースを蛇行させてみたりマークIIで急ハンドルを切ってみせたり。

「おお、昔のでやったら死ぬよ（笑）」

トヨタの（+大手広告代理店との）マーケティング（調査）力ってやっぱりダテじゃないなーと、TVを見て思わず、膝をポンと打ってしまいました。

何が膝を打つって、日本人の大多数の「安全」の概念に対する認知度や成熟度がここまで来たという証拠みたいなCMだからです。（なーんてホントは保険自由化でメカニズムの安全性が等級に大きく絡む様になったのも大きい）

ちなみに「誰にでも分かる」ことでなければCMは成立しません。

分かってる人は最初から分かってることでも、それを敢えてさらに分かりやすい様にやっちゃうのがCM。

で、分かってる人が分かってたってやる時期を間違えればとんでもないことになります。

これを1990年にやっても「危険だ！」の一言で終わり。

その辺、日産なんか正直者過ぎてジゴクを見てます。

本来、クルマの安全の基本てのは100年前から「危険をステアとブレーキで避けられる」事であって、本当はGOAでも何でもないのです。

だからちょっとクルマに詳しい人にとっては蛇行テストなんて「今さら…」なのです。

「すごいのはトヨタがカローラでこれをやったことですね」なんて言わされるマッチも、かわいそうっていやかわいそうなのです。

カローラどころかヴィッツからセルシオの果てまでそんなものは戦前にやっておくべき基本中の基本であってその上で、クルマにはとても大事なことがヤマほどあります。

でも、あのCM自体を「消費者にインパクトを与えるであろう」と、トヨタ自身が目論んで本気でまとめたという点は、いろんな意味でスゴイことには変わりありません。

もっとも、あのCMを見せられても、うたぐり深い僕などはまだこう穿ったりします。

「ああいう操作が効くのは、やっぱり上級グレードだけで廉価版はまだダメなんじゃないの？」

ディーラーや開発者を目の前にしてもそう言えるほど僕のトヨタ車に対するサスアレルギーには根深いものがあります。

あと、カローラの5ドアの方、「秘密のシート」って後部衝突安全性はどうなの？って感じもします。

そこも合わせてCMしてくんなきゃ分かりません。(2001/08一部加筆修正）