2 イタリア人とハンバーグ (2000/08/14)

僕の愛車、75TS。

結論から先に書くと、好きで乗っている人には悪いけれど例えばAlfettaに比べたら、本当につまらない愚鈍なキカイに過ぎません。

こんなものを「ああ最後のFRアルファロメオ」と言って後生大事に乗っている人の気が知れません。

もちろん、他のメーカーの「自称スポーツセダン」に比べたらとんでもなく官能的なんでしょう。

知らない人が乗ったら、きっとスゴイいいクルマなんでしょう。

いや、実際、バランスの取れた実にいいクルマです。

でもちょっと待って。

誰かが75や155や156をして「アルファは官能的」とか「味がある」とか言うたび、僕はほんだしを「天然の味」と言ってるような胡散臭さを感じてしょうがないのです。

だいたい、75はオリーブオイルの匂いがしません。

イタリア人は、ドイツ人のマネをしたらダメ。

ハンバーガー食ってアルファを作れる訳がないんです。スパゲッティで設計しなくちゃ。

75は、そう感じさせる最初のアルファです。

と同時に、そういう無味乾燥な、時代とか先入観とかホニャララとかを全部無視した時に初めて見えてくる「何か」を持っているのも事実。

だから僕は辛うじてコイツが好きでいられます。

その「何か」は最初は見えませんでした。

だんだん見えてきました。

やがて75とかアルファとかいった固有名詞から離れて一人歩きを始めました。



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